tora姉とsoraの愛読書 「さむがりやのねこ」その1

 北の国に、とても寒がり屋の猫がいた。
 秋風が吹くと、耳つき帽子をかぶり 秋の終わりの風が吹くとセーターを着る。
 冬の風がヒューと吹くと、ズボンと靴下を履き
 北風がびゅんびゅん吹き付けると  「死にそうだ」と マフラーと手袋をしてジッとしている。

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 ある日、ぐんと冷え込むと
 「冬なんて大嫌い!
 北国なんて、まっぴらだ・・・
 そうだ、南の国へ行こうびっくり
 猫は早速南へ向かって
 歩き始めた。
 猫は、どんどん歩いた。
 体が温まってきた。
 「かなり あったかいなあ~
  ここは、もう南の国に違いない 」
 猫は、
 ある家の前でひと休みした。
 家の軒下に、
 洋服のいっぱい詰まった
 カゴがあった。

 「こりゃ、あったかそうだ」とカゴの中に潜り込み
 ふにゃふにゃと寝てしまった。


 夜中に、おばあさんがやってきた。
 「あれまあ、洗濯するの忘れたよ、今夜のうちに済ませちゃおう!」
 と言って、洗濯物を洗濯機の中にザブン!
 粉石けんを、ざらざら! 
 スイッチをカチンと入れた。
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 洗濯機が、ガーガーとすごい勢いで
 回り始めた。
 「ふんぎゃー!目がまわるう!」
 猫の叫び声は、
 おばあさんに聞こえない。

 洗濯機が止まった時、
 猫は・・・
 目を回して、裸になっていた。


     ここから先が面白い!

          つ・づ・く